腰椎椎間板症と言われたけど、どうなれば良…
もくじ
「湿布を貼っているけれど、腰痛がよくならない」
「最近、腰の痛みがひどくなってきた…」
「痛み止めの薬を飲んでも、あまり効果を感じられなくなった」
このようなお悩みを抱えていませんか?
こんにちは。
倉敷市藤戸町天城にある天城整骨院、院長の今行(いまゆき)です。
腰椎椎間板症の症状が改善せず、不安な気持ちを抱えている方も多いのではないでしょうか。
先日も、病院で腰椎椎間板症と診断された女性が当院に相談に来られました。
「湿布や痛み止めを使っているけれど、痛みが全然変わらない」
とお話しされていました。
詳しくお話を伺うと、2週間に一度病院で診察を受けているものの、3か月以上が経過しても症状が良くならず、困っているとのことでした。
腰椎椎間板症は、症状が長期化するケースもある疾患です。
「本当に治るのだろうか…」
「このまま一生、付き合っていくしかないのかも…」
といった不安を感じる方も少なくありません。
しかし、実は日常生活の中で無意識に取っている「姿勢のクセ」が、症状の改善を妨げていることもあるのです。
そこで今回は、腰椎椎間板症と姿勢との関係、そして痛みを悪化させやすい注意すべき姿勢について紹介させていただきます。
腰椎椎間板症にお悩みの方にとって、少しでも参考になれば幸いです。
ぜひ最後までご覧ください。
突然ですが、少し医学的なお話をします。
私たちの背骨は、「椎骨(ついこつ)」という骨が積み重なってできており、それぞれの椎骨の間には「椎間板(ついかんばん)」というクッションのような軟部組織があります。
背骨は部位によって、頚椎・胸椎・腰椎と呼び名が変わりますが、横から見ると全体として「S字カーブ」を描いています。
このカーブは、単なる形ではなく、身体にかかる衝撃や重みを分散するという非常に大切な役割を担っています。
例えるなら、バネのついた自転車のサドルのようなものです。
地面のガタガタをそのまま受け止めるのではなく、バネがショックを吸収してくれることで、身体への負担が軽くなります。
同じように、背骨のS字カーブは、歩行時の振動やジャンプしたときの着地衝撃、長時間立っているときの体重などを全体でやわらげる「自然のクッション」のような働きをしています。
しかし、猫背や前かがみ姿勢などが習慣化してしまうと、このS字カーブのバランスが崩れ、衝撃がうまく分散されなくなります。
その結果、椎間板の特定の部位に圧力が集中しやすくなり、椎間板が負担を受けやすくなるのです。
実際に、椎間板にかかる圧力は、姿勢によって大きく変わります。
ドイツの研究者ナッケムソン(Nachemson)やウィルケ(Wilke)らの報告では、立っているときの内圧を100とした場合、前かがみや猫背の姿勢では約150〜185と、約1.5〜2倍の圧力がかかるとされています。
※引用元:
Nachemson AL. Disc pressure measurements. Spine. 1981;6(1):93–97.
Wilke HJ et al. New in vivo measurements of pressures in the intervertebral disc in daily life. Spine. 1999;24(8):755–762.
前の項で、猫背や前かがみの姿勢が椎間板に大きな負担をかけることをお伝えしました。
なかでも、腰椎椎間板症の方が無意識のうちにとってしまいがちな姿勢が、「前かがみで足を組む姿勢」です。
たとえば、デスクワーク中やスマホを見ているとき、つい背中を丸めて足を組んでいませんか?
この姿勢では、まず前かがみになることで椎間板の前側が圧迫されます。そして、足を組むことで骨盤が左右に傾き、腰椎にねじれのストレスが加わります。
この「圧迫」と「ねじれ」が同時に加わると、椎間板には大きな負担となります。
例えるなら、「濡れた雑巾をギュッと絞る」ようなもの。中の水(椎間板)が押し出されやすくなり、神経を刺激して痛みを引き起こす原因になります。
見た目には楽な姿勢でも、腰椎椎間板症にとっては危険な要素を含んでいるのです。
普段の姿勢を少し意識するだけでも、腰への負担を大きく減らすことができます。
椅子に座る際は、足を組まないようにしましょう。
今回のブログでは、腰椎椎間板症の痛みがなかなか改善しない理由として、日常の姿勢が大きく関係している可能性について解説しました。
「このまま治らないのでは…」
「もう薬に頼るしかないのかも…」
そう感じている方でも、普段の姿勢を見直すことで症状の改善につながるケースは多くあります。
他のブログでは、腰椎椎間板症の詳しい症状や原因についても解説しています。ぜひそちらも参考にしてください。
▶︎ 腰椎椎間板症の症状と原因を詳しく解説したブログはこちら
また、現在さまざまな対策をしているのに腰椎椎間板症の改善が見られない場合には、他の要因が関係している可能性もあります。
そのようなときは、お近くの専門の医療機関、整骨院、接骨院などにご相談されることをおすすめします。
当院でも腰椎椎間板症に関するご相談を承っておりますので、お気軽にご連絡ください。
(柔道整復師 今行 慎二 監修)