はじめに 「手や腕がしびれる」 「腕がだ…
もくじ
こんにちは。
岡山県倉敷市藤戸町にある天城整骨院の院長、今行(いまゆき)です。
「また首と肩が痛くて、夜も気になって眠れない…」
「肩の重だるさが取れなくて、仕事に集中できない」
「腕がジンジンして、指先まで冷たくなる時も」
このような症状で、毎日つらい思いをされていませんか?
実は、これらの症状の多くは「斜角筋症候群」という状態が原因かもしれません。
聞き慣れない病名かもしれませんが、当院でもよく相談を受ける症状です。
この症状は、転んだり肩をぶつけたりした覚えがないのに出てきます。
そのため、
「年のせいかな」
「四十肩になったのかな」
と不安に思われている方も多いかもしれません。
マッサージや整体に通って、肩や首をマッサージしてもらって、少し痛みが和らいだ感じがすることも。
しかし、すぐに症状が戻ったり、また次の日になると、痛かったり、ジンジンして改善しないという経験をされている方もいるのではないでしょうか。
先日も、来院された40代の女性の患者さんは、
「毎日湿布を貼っていても、いっこうに良くならなくて…」
「仕事も集中できない」
「腕を上げているのも辛くて、家事をするのも大変で」
と、日常生活での困りごとをお話しくださいました。
当たり前の日常が送れなくなって、本当に辛いと思います。
そこで、今回のブログは、同じように悩まれている方々のために、斜角筋症候群についてわかりやすく解説し、ご自宅でできる簡単なチェック方法、ケアの方法について紹介させていただきます。
数分でできる簡単なケア方法ですので、今現在、肩や腕への重だるさやしびれ、冷えでお困りの方は、ぜひお読みください。
斜角筋症候群は、筋肉の間に通っている神経や血管が圧迫を受けて起こります。
首の耳もとのあたりにある斜角筋という筋肉があります。
この斜角筋は、前斜角筋と中斜角筋、後斜角筋という3つの筋肉からなり、前斜角筋と中斜角筋の間に神経と血管が通っています。
この神経は、肩や腕、手の感覚や動きをコントロールする大切な役割を果たしています。
また、血管は腕や手に酸素や栄養を運んでくれています。
なんらかの原因で、神経や血管が圧迫されると、その結果、次のような症状が出てきます。
・肩や腕のしびれ
・手の冷たさ
・腕の重だるさ
・手のむくみや痛み
斜角筋症候群の原因としては、長時間のデスクワークやスマートフォンによる前かがみの姿勢が挙げられます。
心当たりがある方も多いのではないでしょうか。
なぜ、前かがみの姿勢が問題になるのか、少し詳しく解説します。
いきなりですが、頭の重さは4~6キロほどあると言われています。
ボーリングの球ほどのかなりの重さです。斜角筋は、頭の動きを安定させるために大変重要な筋肉です。
そのため、正しい位置に頭がなければ、かなりの負担がかかってしまいます。
スマートフォンを見るときなど、この重たい頭が前に傾くと、まるでボーリングの球を腕を伸ばして持つような状態になってしまいます。
これは斜角筋にとって、かなりの負担となります。
想像してみてください。
ボーリングの球を体の近くで持つのと、腕を伸ばして持つのでは、どちらが楽でしょうか?
同じように、頭が前に傾けば傾くほど、首の筋肉への負担は増えていきます。
このように首の筋肉への負担がかかり続けていると、筋肉は硬くなり柔軟性がなくなります。
そうなると、前かがみの姿勢は癖になります。
この姿勢の癖は自然と悪循環を招いてしまいます。
筋肉が硬くなれば姿勢が悪くなり、姿勢が悪くなればさらに筋肉が硬くなる…というサイクルです。
余計に負担をかけ続けてしまう悪循環になります。
この状態を改善することは大切ですが、まず、ご自身の症状が斜角筋症候群かどうかを確認することが重要です。
次の項で、斜角筋症候群の簡単なチェック方法を紹介します。
【チェック方法】
以下の簡単な動作で確認することができます。
1. リラックスして椅子に座ります
2. 症状がある方向に顔を向けます
3. ゆっくりと顔を上に向けて(首を後ろに反らして)みましょう
4. その姿勢で深呼吸をしてみましょう
このとき、次のような症状が現れたり、普段の症状が強くなった場合は、斜角筋症候群の可能性があります:
・肩から腕にかけてのしびれ感
・手の冷えを感じる
・腕全体が重たく、だるい感じがする
・手の痛みを感じる
※中には、深呼吸をする前の段階(顔を上に向けただけ)で、すでにこれらの症状が出る方もいらっしゃいます。
首や肩のつらさを感じている方へ、ご自宅で簡単にできるケア方法をご紹介します。症状を和らげるためには、「斜角筋」を和らげてあげることが大切です。
まずは斜角筋の場所を確認します。
1. 症状がある側の耳に手を当てます
2. その方向に顔を向けると、鎖骨から耳にかけて筋肉が浮き出てきます。これが「斜角筋」です
3. 見つけた斜角筋を、親指と他の指で優しく挟みます
4. 顔を正面に戻します
5. 挟んだ筋肉を、とても優しく2~3回上下させます
6. 少しずつ場所を変えながら、同じように行います
※強く挟みすぎないように注意してください
効果的なケアのポイント
・ゆっくり丁寧に:急な動きは逆効果です。首の動きもゆっくりと行うことで、安全に筋肉を和らげることができます
・痛くない範囲で:「痛い!」と感じたら、それは刺激が強すぎるサインです。心地よいと感じる範囲で行ってください
・継続が大切:毎日のケアが難しい場合は、入浴時など、リラックスできるときに行うのがおすすめです。無理のない範囲で続けることで、徐々に筋肉がやわらかくなっていきます
今回のブログでは、斜角筋症候群についてわかりやすく解説し、ご自宅でできる簡単なチェック方法、ケアの方法について紹介させていただきました。
「手や腕がしびれる」
「腕がだるくなる」
「手のひらが冷たく感じる」
など、日常生活に支障が出ることは、本当につらいものです。
そのような方々へ、このブログが皆様のお役に立てれば幸いです。
今現在、さまざまな対策を試しても斜角筋症候群が改善されない方がおられましたら、ほかの部分に問題がある可能性があります。
そのような場合は、早めに国家資格を持つ整骨院、接骨院などの治療院を受診することをお勧めします。受診の際は、ホームページなどで国家資格の有無をご確認ください。
当院でもご相談を承っておりますので、お気軽にお声がけください。
(柔道整復師 今行慎二 監修)